霜降 蠍座の季節
23 October 2026

2026年10月22日

太陽が蠍座へ移る季節。

蠍座といえば、親密さや情愛とともに、
嫉妬や執着、秘密といった、
どこか影のあるイメージも浮かびます。

大切に思うほど、失うことが怖くなる。
信じたいからこそ、何度も確かめたくなる。

蠍座の物語は、
誰の心にも起こりうる、そんな揺らぎを
映し出しているのでしょう。

たとえば、誰かのふとした表情を見て、
何か気に障ることをしたのではと考える。

その思いが頭から離れず、
次に会うときには、
こちらの言葉まで少し硬くなってしまう。

胸の内で繰り返した小さな解釈が、
いつの間にか、
二人の空気を変えていることもあります。

そんなときは、心の反応と、
実際に交わした言葉を、
ひとつずつ確かめてみる。

疲れていたのかもしれない。
別のことを考えていたのかもしれない。
まだ聞いていない気持ちがあるのかもしれない。

受け取り方に少し余白が生まれると、
差し出す言葉も変わってきます。

運命は、日々の受け取り方や、
そこから生まれる言葉のなかでも、
少しずつ形づくられていく。

心の奥にある大切な想いに気づくことで、
いつしか生まれたこわばりも、
ほぐれていきそうです。


今回の星の配置には、
「ヨッド」と呼ばれる
細長い三角形が現れています。

その底辺にあるのは、
天王星が重なる東の地平線と、
夢や想像力を象徴する海王星。

そして頂点では、蠍座に入った太陽に、
金星が寄り添っています。

占星術では、「神の指」とも呼ばれるこの形に、
運命的な方向づけや、人生の転機を読み取ってきました。

その形が示す呼びかけは、
繰り返し心に浮かぶ願いや、
どうしても気にかかる出来事として
感じられることもあるでしょう。

人との出会いから受け取る刺激、
まだ形にならない憧れ、
ふと試してみたくなること、
そして自分が深く愛しているもの。
それぞれに耳を澄ませるうちに、
意外なつながりが
見えてくるかもしれません。

いま金星は、
星空を引き返すように進む
「逆行」の時期にあります。

かつて好きだったものや、
心に残る関係を振り返ることで、
いまも大切に思っている何かに、
あらためて気づくことも。

懐かしいものとの再会が、
現在の暮らしや仕事に、
思いがけない糸口を運んでくれそうです。

蠍座の季節は、その小さな気づきを、
暮らしのなかで深く育てていく時間。

心に残るものへ丁寧に触れながら、
これからも大切にしたい関係や、
時間の使い方を選び直してみるのもよいでしょう。



火・土・風・水、それぞれの感性に寄せて、
アートやデザインを手がかりに、
この季節を楽しむ四つのヒントをお届けします。

ご自身の太陽星座のメッセージに加えて、
ほかのエレメントにも
豊かな発見が待っていそうです。

火のエレメント
牡羊座さん・獅子座さん・射手座さん

安心して戻れる場所や、
人知れず力を貸してくれる誰か。
いつの間にか身についた習慣や知恵。

ふだんは意識していなかったもののなかに、
次の一歩を支える力が
見えてくるかもしれません。

そんな気づきを、かたちにたとえるなら、
願いや感謝を託す
エクス・ヴォートのオーナメントが思い浮かびます。

その祈りのオブジェからは、
人々が胸に抱いてきた大切な思いが
伝わってくるようです。

自分なら、どんな願いを託すでしょうか。
誰の顔や、どんな場所が浮かぶでしょうか。

心に浮かんだ誰かへ、お礼を伝える。
大切にしてきた習慣を、久しぶりに取り戻す。
温めていた願いのために、少し時間を空けてみる。

誰かの助けを借りることも、
これからを動かす一歩になりそうです。

受け取ってきたものに目を向けながら、
自分が本当に望んでいることにも、
そっと手を差し伸べてみましょう。



土のエレメント
牡牛座さん・乙女座さん・山羊座さん

以前交わした言葉や途中で止まっていた相談に、
思いがけない続きを見つけられそうな季節です。

そのときはうまく伝わらなかったことも、
いまなら別の言葉で話せる。
相手のひと言にも、以前とは違う背景が
見えてくることがあるでしょう。

これまでの時間に、いまの思いが重なっていく。
それは、古い壁や柱を残しながら、
新しい空間へと生まれ変わる建築にも似ています。

そこで思い浮かぶのが、
異なる時間の痕跡を重ねる、
「パリンプセスト」という見方。
もとは、文字を消して書き重ねた
古い写本を指す言葉です。

この秋は、昔の面影が残る街を歩いたり、
古い建物を生かしたカフェやギャラリーを
訪ねてみるのもよいでしょう。

壁に残る色や、使い込まれた階段。
そこに加わった照明や家具。
異なる時代のものが響き合う景色に、
足を止めてみる。

人との関係にも、
こんなふうに続きを重ねていけるのでしょう。

いつもの相手を、初めての店へ誘ってみる。
そして懐かしい話のあとに、
「最近は、どんなことが面白い?」と尋ねてみる。

よく知っているつもりでも、
まだ知らない表情がある。
その発見が、これからの関わりに
新しい奥行きを添えてくれそうです。



風のエレメント
双子座さん・天秤座さん・水瓶座さん

いつもの場所や、親しい関係のなかで、
自然に引き受けてきた役割に、
あらためて思いを巡らせる季節です。

誰かのために、先回りして動いたり、
場の空気に合わせて言葉を選んだり。
続けてきた気遣いのなかには、
いつしか窮屈になっているものもありそうです。

いくつもの期待に応えるうちに、
自分の言葉が埋もれてしまうことも。

そんなとき、ヒントになるのが
「エレイジャー・ポエトリー」。
文章の一部を塗りつぶし、
残された言葉から新しい詩を生み出す手法です。

その発想を日々に取り入れて、
いまの暮らしに何を残したいか、考えてみる。

例えば、予定をひとつ減らして、
一人で好きな映画を観る。
返事を急がず、自分の気持ちを確かめる。
大切な人とは、用事のない会話を楽しむ。

説明や気遣いを重ねる前の、
短く素直な言葉が届くこともあります。

この季節は、自分の時間や心の内に、
少し余白を取り戻してみましょう。
その静けさのなかで、これからも大切にしたい
関係や楽しみが見えてきそうです。



水のエレメント
蟹座さん・蠍座さん・魚座さん

理由をうまく説明できなくても、
なぜか惹かれる色や音、
繰り返し眺めたくなる景色。

そんな好みに、次の楽しみや学びへ向かう
小さな入口がありそうです。

何に惹かれたのか、
その理由は、少し後からわかることもあるもの。
まずは感覚の向かう先を、たどってみる。

その感覚に通じるのが、
線の行き先を決めずに描く「オートマティズム」。
手の動きから思いがけない形が現れ、
そこからイメージが広がっていきます。

日々のなかでも、ふと心が動いたところから
次の行き先を選んでみる。

書店で、装丁に惹かれた一冊を開く。
何気なく聴いていた音楽から、
アーティストの素顔や、
作品が生まれた背景をたどってみる。
散歩の途中で目に留まった展示へ、
少し寄り道してみるのもよいでしょう。

好きだと感じたものを集めているうちに、
別々だった色や言葉、風景のあいだに、
自分らしいつながりが見えてくることも。

誰かに話して初めて、
その面白さに気づくこともあるでしょう。

この季節は、心が動く瞬間を手がかりに、
いつもの選び方を少し自由に。
その先に、これから深めたい世界が
ひらけてくるかもしれません。


イズモアリタ(MASAFUMI ARITA)

星の神話とタロットの図象
/伝承叡智の研究
テキスタイル&グラフィック
/デザイナー

プロフィール:
星とタロットの図案家として 未発掘の心象シンボルと無意識の同時代カルチャーをスケッチしている。2004年より世田谷ものづくり学校にアトリエを構え、コンバースシューズやヤコブセンのチェアをはじめ、BEAMS、IDEE、CIBONE、サザビー、ほぼ日、JTB、伊勢丹BPQC、高島屋、等で様々なプロダクトを発表してきた。近年は、独自の縄文&出雲的な感性と星々との呼応から制作活動を展開。古代の伝承から同時代のものまで古今東西の文化に詳しく、ゼロ歳からのワークショップ、美術大学で造型指導も行っている。

イズモアリタ instagram
@izumoarita

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