INTRODUCTION
星に夢中になり始めたのは14歳のころ、当時(1980年)手描きで作成したホロスコープを眺めては、惑星が示す意味と同時代の出来事との共時性にワクワクしていたのを覚えています。
そのときの天体配置で特に印象的だったのは土星と木星が共に乙女座から天秤座に移動して約600年ぶりに風のエレメントに集っていたこと。
いまでは多くの人が耳にする「風の時代」へのストロークを感じながら未来の私らしい在り方を模索していました。
そこから半世紀近い月日を経た現在、新しい時代の到来は外からもたらされる以上に、個々の内なる気づきと豊かな繋がりから拡がっていくのだと実感しています。
この連載では、惑星たちが奏でる二十四節気ごとの天体配置から、より魅力的で私らしい暮らしを楽しむための星々の語らいをお伝えしていきます。
冬至・山羊座の季節(21 December)
冬至を迎え、太陽が新たに生まれ変わる瞬間。
惑星たちの語らいは、この一年の成果を様々な角度から照らし出すとともに、
新たな一年を迎えるためのアドバイスを投げかけています。
今回の冬至は、21世紀前半という長期的な流れの中でもとりわけ重要な分岐点として、
一人一人の暮らしの中にたくさんの気付きを促しているように見えます。
"ジャーナリング"という言葉がありますが、この一年を振り返りながら、
特に印象に残っていることから紙一面に書き出してみるには絶好のタイミング!
そのうちいくつかは、かなり遡った出来事に起因し、またいくつかは未来への伏線になっていそうです。
どんな出会いがあったか?
何と向き合ってきたか?
そこにはどんな痛みや喜びがあったのか?
その時はどう受け止めていたのか?
そのことを現時点ではどう捉えているか?
見落としていたポイントはなかったか?
その出来事に別の要因が絡んでいなかったか?
そこから新たな視点や可能性を見出せるか等々……。
こうした問いかけから浮かびあがってくる“気付きの体験”を静かに見つめていくと、
内なるサイクルの発見や、様々なシンクロニシティを確認することも可能です。
2024年の冬至図では、アセンダント(東の地平線に昇る星座)が蟹座に位置していて、
世の中の変動の中、私たちの日常生活を維持していくためのヒントが示されています。
その支配星である月は乙女座3ハウスにあって、対岸に位置する魚座9ハウスの土星と向き合っています。
同時に、双子座11ハウスの木星と射手座5ハウスの水星は“ミューチュアルレセプション”と呼ばれる創造的な意見交流を描いていて、全体として“グランドクロス”と呼ばれるダイナミックなアスペクトを形成しています。
*新たに占星術を学ばれている方も対象に、少しづつ専門用語を取り混ぜていますが、詳しい解説はインスタグラムから発信しています。
ご興味ある方はぜひ覗いてみてください。2024年冬至図の解説は12月20日(金曜日)21時に発信します。
アーカイブも残しておきますね!(@izumoarita)
この時期、ルーティン化しがちな日々の暮らしについて、柔らかな感性で様々な視点から見つめ直してみることで、長期的に取り組むべき重要な課題が浮かび上がってきそうです。
情報ソースに関しても、端末のアルゴリズムに頼りすぎず、大型書店に出向いたり、開かれた交流の場で様々な意見に関心を持つなど開放感のあるニュートラルな交流を楽しむことで、新しい人脈や新鮮な認識の広がりを得ることが出来そうです。
もうひとつ重要なポイントとして、MC(天頂)が”ドラゴンヘッド”とともに牡羊座にあって、獅子座1ハウスの火星・5ハウス水星と火のグランドトラインを形成しています。
過去から続く役割や立場を別の視点から見直してみることで、時代の流れと噛み合う直観的な創造性が開かれていく気運もあります。
水瓶座の金星(そして冥王星)と双子座・木星のトラインという”風のエレメント”のポジティブな連携も手伝い、 伝統的に受け継がれてきた「言葉」や「知恵」を、最先端の言語感覚でシェアしていくような新しい連帯も生まれて来そうです。
冬至の主役といえば山羊座0度(6ハウス)の太陽ですが、火のグランドトラインの一角をなす獅子座・火星とセミスクエアを形成していることから、違和感のある役割や環境の中でも「私」という存在の真価を見出し、尊厳を取り戻していく可能性も示されています。
山羊座の支配星である魚座の土星(9ハウス)との連携も交えて読み込むならば、日々のルーティンや小さな出来事の中に人生全体に響くテーマや精神的な学びを見出すことも出来ますし、現場での工夫や努力の積み重ねが単なる義務に終わらず、 より自分らしい仕事や暮らしの在り方への着実な一歩に繋がっていくでしょう。
2024年の冬至を起点に、真の自分らしさについて、様々な情報源や直感的なひらめきを大切に、新しい指標を打ち出してみることで自分自身の社会的な役割や身近なコミュニティでの楽しみ方など新しい可能性を見出すことが出来そうです。

イズモアリタ(MASAFUMI ARITA)
星の神話とタロットの図象
/伝承叡智の研究
テキスタイル&グラフィック
/デザイナー
プロフィール:
星とタロットの図案家として 未発掘の心象シンボルと無意識の同時代カルチャーをスケッチしている。2004年より世田谷ものづくり学校にアトリエを構え、コンバースシューズやヤコブセンのチェアをはじめ、BEAMS、IDEE、CIBONE、サザビー、ほぼ日、JTB、伊勢丹BPQC、高島屋、等で様々なプロダクトを発表してきた。近年は、独自の縄文&出雲的な感性と星々との呼応から制作活動を展開。古代の伝承から同時代のものまで古今東西の文化に詳しく、ゼロ歳からのワークショップ、美術大学で造型指導も行っている。
イズモアリタ lit.link
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