INTRODUCTION
星に夢中になり始めたのは14歳のころ、当時(1980年)手描きで作成したホロスコープを眺めては、惑星が示す意味と同時代の出来事との共時性にワクワクしていたのを覚えています。
そのときの天体配置で特に印象的だったのは土星と木星が共に乙女座から天秤座に移動して約600年ぶりに風のエレメントに集っていたこと。
いまでは多くの人が耳にする「風の時代」へのストロークを感じながら未来の私らしい在り方を模索していました。
そこから半世紀近い月日を経た現在、新しい時代の到来は外からもたらされる以上に、個々の内なる気づきと豊かな繋がりから拡がっていくのだと実感しています。
この連載では、惑星たちが奏でる二十四節気ごとの天体配置から、より魅力的で私らしい暮らしを楽しむための星々の語らいをお伝えしていきます。
大寒・水瓶座の季節
20 January 2026
一年でいちばん寒さが深まる頃、
蕗の薹は、まだ土の下で静かに息をひそめています。
霜に覆われた地表からは想像もつかないほど、
内側では確かな準備が進んでいる。
大寒とは、
ときが止まってしまったかのように感じられる瞬間。
けれど本当は、次の季節へ向けた構想が、
もっとも濃密に練られている時期なのかもしれません。
水瓶座の季節。
まだ言葉にならない微かな予感が、
内側でそっと芽吹き始めるタイミングです。

2026年の前半、
星の動きはその「胎動」を、はっきりと示しています。
1月27日、海王星が牡羊座へと足を踏み入れ、
2月14日には土星も牡羊座に移動します。
そして一週間後の2月21日、
土星と海王星は、すべての星座の起点となる
牡羊座0度で正確に重なります。
世代を超える長い周期で、
私たちの無意識に働きかける海王星。
約29年をかけて、暮らしや現実の骨組みを
一つずつ組み立てていく土星。
その二つが「始まり」を象徴する地点で結び合う配置は、
占星術的にもきわめて稀な出来事です。
だからこそ今は、
世の中の変化から少し身を引き、
「私はこうありたい」という
心の奥の感覚を静かに確かめるとき。
誰かの価値観や、
世の中の正解に合わせるのではなく、
自分の内側で何が動いているのかを、
丁寧に感じ取ってみること。
経験を重ねるほど、
自由が広がるように感じることもあれば、
かえって身動きが取りにくくなる瞬間もあります。
「本当はどう生きたいのか」という問いかけは、
時間をかけて、確かな気づきへと変わっていく。
知らないうちに重くなりすぎていた
過去へのフォーカスをそっと緩め、
新しいヴィジョンを探し始める周期です。

少し先の話になりますが、
4月26日、天王星が双子座へと移動します。
それによって、
先端技術や情報、コミュニケーションの分野に
新しい実用的な流れが生まれやすくなっていくでしょう。
これまで信じてきた考え方が
ふと古く感じられたり、
停滞していたジャンルに
新しい進展が見え始めたり。
言葉や距離の壁を軽やかに越えるような
新しい技術や仕組みも、
私たちの日常へ自然に入り込んでくるかもしれません。
そこでは、
テクノロジーへの単なる依存ではなく、
私たちの意識の在り方そのものが
新しい視界を得ていくような潮流が
静かに育っていきます。
「今さら遅いかも」
「まだ早すぎるかもしれない」
そんな発想が、
いつの間にか懐かしく感じられるような、
軽やかな変化です。
蕗の薹が、誰に見せるでもなく、
ただ春の準備をしているように。
すでに始まっている変化に気づくこと。
それこそが、この水瓶座の季節が
私たちにそっと手渡してくれる
ひとつのメッセージなのかもしれません。

イズモアリタ(MASAFUMI ARITA)
星の神話とタロットの図象
/伝承叡智の研究
テキスタイル&グラフィック
/デザイナー
プロフィール:
星とタロットの図案家として 未発掘の心象シンボルと無意識の同時代カルチャーをスケッチしている。2004年より世田谷ものづくり学校にアトリエを構え、コンバースシューズやヤコブセンのチェアをはじめ、BEAMS、IDEE、CIBONE、サザビー、ほぼ日、JTB、伊勢丹BPQC、高島屋、等で様々なプロダクトを発表してきた。近年は、独自の縄文&出雲的な感性と星々との呼応から制作活動を展開。古代の伝承から同時代のものまで古今東西の文化に詳しく、ゼロ歳からのワークショップ、美術大学で造型指導も行っている。
イズモアリタ instagram
@izumoarita
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