Vol.1 今の私にちょうどいいごはんとワイン

2024年5月17日

はじめまして。この<即!ナチュラルなわたしになるごはんとワイン>では、食べて健康、からだに良くって健康なごはん、そのスタイルやシーンについて掲載していきます。そしてイラリのテーマでもあり目的地でもある 「今の私にちょうどいい、ジャストナチュラル」な毎日のはじめ方を料理やワインとともに具体的にお伝えしていきます。

ちょっとその前に、

からだに良くって健康なごはんって、どんなごはんでしょうか。おいしくて、栄養価も抜群なごはんならば確かに完璧。しかし不思議なもので、それだけでは人は心身ともに上手く栄養もおいしさも吸収できていないことが近年明らかになりました。上手く吸収しないということは、結果としてからだに良いとは言いません。では何がそうさせているのでしょうか。東京で小さくプライベートな料理会を16年続けてきた私が「ごはん」について、そしてこれからも私に欠かせない、大切にしていきたいことを今日はお伝えしようと思います。

日本に、そして東京に

暮らしていると食材も味も手に入らないものがないくらい豊か。今日は和食、明日は中華、友人とのランチはイスラエル料理で、なんてことが叶ってしまう。私たちはとても満たされて暮らしていると言えます。おいしいものや美食はいくらでも他所で手に入るのだから、私の料理会は地味でもひと口食べてハッとするような旬と鮮度にあふれたものにしようと決めました。そして食べたら終わりということではなくて自宅で再現可能な(今思えばサステナブル!)料理。素材重視で簡単だけどちょっとしたポイントがあって作り続けるたびに進化しうるごはん。簡単な工程だけど、作るたび感動や発見があるものを食べるということが普遍的な豊かさなのではないかと感じています。料理会ではそんなスタイルをずっと貫いています。

料理会が10年を過ぎた頃でした。「限界」というものは突然やってくるもので、自分を急激に追い込んだことがあります。おいしい、からだにいい、を感覚だけでなくエビデンスや数値を伴うものにしたいという強い想いが沸き起こり、大学受験。文字通り、期間限定で学生に戻りました。今となっては何も思い出せないほど朝も昼も晩も栄養学や細胞、免疫学について基礎をきっちり学びました。どうやって卒業できたかは覚えていません。私たちは生命維持のために食べ物を摂取して消化し、吸収して栄養素を利用するというダイナミックな働きの上に存在するということ、塩分糖分油分、消化吸収、循環、ビタミン類がからだに与える影響について理解してはじめて素材の素晴らしさや本当の面白さを見た、ということだけは分かっています。

海も泳いで山も越えた、そんな月日を重ねて今。

私もごはんも、まんま自然で余分な力の抜けたとてもナチュラルな状態だと感じています。私以下でも私以上でもない、ジャスト・ナチュラルなごはん。料理法はフレンチ、茶懐石、栄養学に至りましたが、いつだって大切なのは目の前にある素材をどう活かそうか、おいしく料理しようかというワクワクと意気込み、それと誰と食べるか、食べさせたいかということだけ。これ以上においしい味付けはきっとありません。そして調味料も含む物品のチョイス。職業上、素材も道具も試しては手放し、試しては手放しを繰り返してきたからこそ「持たない贅沢」「持たない豊かさ」も痛感しています。

からだに良くって健康なごはんとは、素材や栄養面だけではなく、食に対する思考や気付き、経験、様々な要素が合わさった先にあると言えます。多くを持たず、何を持っていて、何が今後自分に必要なのかが分かっている。そんな見通す力の先に、からだに良くって健康なごはんはあります。

ここではそんな、ちょっと先を見通すことや、これまで料理会で人気だったメニューに新たに2024年の健康エッセンスを足して、ジャストナチュラルな健康ごはんとそのスタイルを掲げていきます。

お仕事に日々奮闘しているキャリア女子、経営者の皆さん、これから健康ごはんを楽しみたい、知らない世界に飛び込んでみたい皆さんへ。心から元気をお届けします。 2024年初夏

たねいちとも子さん(TOMOKO TANEICHI)

料理研究家/ごはんブロガー
/ブランディング・ディレクター

プロフィール:
健康的で肩ひじ張らない料理の提案、よりよく健やかに⽣きるためのライフスタイルを体現。⾷品メーカーや化粧品会社との商品開発、⾷と美容の企画をプロデュース。 コミュニティの場として料理教室を設け16年続けている。20代は公益財団法⼈に⼊社し芸術⽂化の助成に係る。その中で健康こそ財産だと確信して30代は美容と健康の道へ。⼥性誌を中⼼とした美容業界での活動とケータリングやレシピの提案など⾷まわりの活動をスタート。2015年には料理法や⾷の⽂献を深めるため⼥⼦栄養⼤学に⼊学、2017年卒業。2016年にリトリートオイル「BUDDHI」のコスメティック・ディレクターに就任。コスメをはじめ美容と食のディレクターとして活動している。