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〜N.Y.ブルックリン発〜母娘が紡ぐ『ビーガンチョコレート』
Vol.13 早川由希子さん【ビーガンチョコレート・ブランド『NOÉ NO OMISE(ノエのお店)』】主宰
「チョコの概念が変わった」――。

ニューヨーク・ブルックリン、高感度なニューヨーカーたちの間で、熱い視線を集めている次世代スイーツがある。オンラインやポップアップ、限られた一部のお店でのみ入手可能な『NOÉ NO OMISE(ノエのお店)』のビーガンチョコレートだ。
「未体験の口溶けと優しい甘さ」、「アートピースのような美しさ」が口コミで広がり、テレビ番組や地元のグルメ雑誌にも取り上げられ、大きな反響を呼んだ。
ただ美味しいだけではない。最大の特徴は、厳選されたカカオをベースにオレンジオイルやカルダモン、そして、神秘の生命力を宿す“ブルー・スピルリナ”を融合。食べるほどに心身が整う「サプリメント・チョコ」であることだ。
今回は2026年のバレンタイン特別編として、N.Y.在住『NOÉ NO OMISE』代表・早川由希子さんにインタビュー。独自のクリエーションに込められた想いと、内側から心と体を満たしてくれる、進化形ビーガンチョコレートの秘密を伺った。
Contents
Media
・レストラン、シェフや食文化を紹介するN.Y.発の人気オンラインメディア『Eater』
・アメリカの3大ネットワークの一つNBCの番組『New York Live』のYouTube配信
第1章:ポップアップをきっかけに誕生した「母娘ブランド」
パンデミックの中、娘と開いた「一度きりのお店」が教えてくれたこと。
「NOÉ NO OMISE」が産声を上げたのは2021年、世界が静止したパンデミックの最中だった。
カカオバターと手作りカシューナッツバターのみを使用し、ラカント(羅漢果・果実由来の天然甘味料)で甘みをつけた『ビーガンホワイトチョコレート』、『ビーガンダークチョコレート』には、カカオパウダーと、ビタミンやミネラルが豊富なメープルシロップを使用。いずれも自然の素材のみが使われている「毎日時間を持て余していたとき、友人に誘われ、娘のノエと共にブルックリンのブッシュウィック(Bushwick)で開催されたポップアップに遊びに行ったことが始まりでした」と、早川由希子さんは当時を振り返る。
そこで、予期せぬ光景を目の当たりにした。
「友人のショップの傍らで、ノエがポストカードにメッセージやイラストを描いていると、それを見て “これ、いいね”と手に取り、購入していく人たちが現れたのです」
驚きながらも、「子供の好奇心を伸ばす良い機会になるかもしれない」と思ったという。
以前から、娘が5歳になったら“社会の仕組みやお金の流れを学ぶ体験をさせたい”と考えていた早川さん。すぐに次回のポップアップ出店を申し込むことにした。
「お店で何をやりたい? ノエの好きなことでいいんだよ。ママと一緒に作っていたバスボム(入浴剤)、出してみようか…」
親子でアイデアを膨らませる中、ふと思い出したのは、数年前に友人が贈ってくれた「ビーガンチョコレート」の味だった。
ビーガンチョコレートとは、乳製品や蜂蜜などを含む一切の動物性食品を使用していないチョコレートのこと。アレルギーを持つ人や、健康を気遣う人たちの間で人気が高い。
早川さんは、エクアドル産の最高品質のカカオをベースに、精製された白砂糖の代わりにラカントやメープルシロップで自然な甘みを加える独自のレシピを考案した。メープルシロップは、不足しがちなビタミン類やミネラルの供給源だ。また、ラカントには食後血糖値の上昇を穏やかにし、肥満のリスクを軽減する作用がある。
グルテンフリー、精製糖・乳製品不使用で、誰もが安心して食べられる、純植物性ならではの健やかな美味しさを追求したのだ。
迎えた当日。手作りのビーガンチョコレートに加え、抹茶やターメリック、ドライローズペタルなど、子供が口にしても安全な素材で作ったバスボムとアロマスプレーを、小さなギフトボックスに詰めてテーブルに並べた。
すると、通りがかった人々が次々と足を止め、吸い寄せられるように小箱を手に取っていった。
初参加したポップアップで販売した3種類のハンドメイドアイテム。子供が口に入れても安全な植物性素材で作られている「用意した10箱は、あっという間に完売してしまいました」
一度きりのつもりだった「お店」は、次回の出店を熱望されるようになる。そしてこの経験は、早川さん自身の内面にも、予期せぬ変化をもたらした。
ブルックリンのブッシュウィックで行われたポップアップ。たくさんの人が訪れ、出店者たちとの会話を楽しみながら、お気に入りを見つけては購入していく「人とふれ合い、自分の手が生み出したものを介して誰かと心を通わせる。その時間は、思いもよらぬほど楽しいものでした。それまでの私は、人前に出ることも、ましてや自分に『ものづくり』ができるなんて考えてもみなかったからです」
封印していた「表現」への情熱、ニューヨークとの出会い
愛知県名古屋市で生まれ育った彼女は、幼い頃から「描いたり、作ったり」することが大好きだった。高校時代には美術部に所属。芸術系の大学を目指した時期もあったが、仕事になるの?という周囲の現実的な声に押された。
自立を目指して将来を模索する中、早川さんが目を向けたのが「英語」だった。高校卒業後、同時通訳を志してビジネススクールに入学。その在籍中に1年間のニューヨーク留学を体験する。それが、早川さんの人生を大きく変える転機となった。
異国の地で目の当たりにしたのはーー。
「未来への不安に縛られず、今この瞬間の自己表現に人生を懸けるニューヨークの学生たちの姿に衝撃を受けました。やりたいことがあるのなら、とことん追求すれば良いのではないか。『まだ、諦めなくていいのかもしれない』。彼らの熱量に、そんな勇気をもらったのです」
留学を終えて帰国した後、日本で派遣社員として働きながら学費を貯め、再び渡米。2002年にニューヨークの大学へと進学する。美術史とデザインのダブルメジャーを修め、卒業後はインテリアコーディネーターとしてキャリアを磨き、自らの手でニューヨークでの地位を築き上げてきた。
2002年にニューヨークの大学に進学し、卒業後もNYで暮らすことを決意した早川さん「インテリアコーディネーターは、自分自身が何かを創作するのではなく、作家やアーティストが作ったものを空間に調和させる仕事です。以前の私は、インテリアと、バスボムやチョコレート作りは決して交わらない別物だと思っていました。でも、あの日、私の中にずっと眠っていた『創ること』への純粋な情熱を、ノエが呼び覚ましてくれました」
ポップアップという一期一会の空間で、娘と共に自分たちが“好き”と思えるものだけを並べる経験は、早川さんにこれまでにない喜びと開放感をもたらした。それは同時に、幼い頃に時間を忘れて没頭した「お店屋さんごっこ」や「お絵描き」の記憶が、鮮やかに甦る体験でもあった。
母娘が、2人の原点ともいえるそのブランドを「NOÉ NO OMISE(ノエの店)」と名付けた理由だ。
第2章:「神の食べ物」を現代へ。カカオ本来のエネルギーを届けるために
“幸福感と高揚感”をもたらすスーパーフードが心と体の不安や不調を解消する。
「娘の社会勉強のために」という思いから立ち上げた『NOÉ NO OMISE』は、瞬く間にポップアップの人気店へと成長した。
出店の準備を重ねるなかで「子供と安心して毎日でも食べられるもの」、「体に良くて健康的なギルトフリー(食べることへの後ろめたさを感じなくていい)スイーツをたくさんの人に届けよう」という思いがますます強くなっていく。
パンデミックによる外出制限下では友人同士の間で、SNSを通じて料理のレシピが飛び交った。
「ふと手にしたロールケーキのレシピに挑んだ際、精製された白砂糖と生クリームの量の多さに衝撃を受けました。そして、その美味しさの裏にある常習性に恐怖すら感じたのです」
「子供と安心して毎日でも食べられるもの」、「体に良くて健康的なギルトフリースイーツをたくさんの人に届けたい」という思いが、早川さんのビーガンチョコレート作りの根底にある「心も体も健やかになれるものを作りたい」
湧き上がる静かな情熱と向き合い、早川さんは独学を続けた。チョコレートの本を何冊も読み、オンラインでリサーチを重ねる日々。その探求の過程で、彼女はチョコレートの原料である「カカオ」に秘められた計り知れないパワーに魅了されていく。
「神の食べ物」という名の証
「実はカカオ豆には、もともと『薬』として大切にされてきた歴史があることを知りました」
その本質はまさにスーパーフード。強力な抗酸化作用のあるカカオポリフェノールをはじめ、食物繊維、ミネラル(鉄、亜鉛、マグネシウムなど)、リラックス効果・血流改善が期待されるテオブロミン、タンパク質、良質な脂質などを豊富に含む。
生活習慣病予防、美容、脳機能向上、腸内環境改善など多様な健康効果が期待されている。また、カカオに含まれる「PEA(フェニルエチルアミン)」という成分は、幸福感と高揚感をもたらすともいわれる。
「古代メソアメリカのマヤ・アステカ文明において、カカオは疲労回復や滋養強壮、ときには心を落ち着かせるための儀式や治療に用いられる貴重な「飲み物」だったそうです。王族や戦士、祭司など、限られた者しか口にできず、豆そのものが「通貨」として流通したほど、その価値は絶大なものでした」
こうした背景を象徴するのが、学名 Theobroma cacao(テオブロマ・カカオ)だ。ギリシャ語で「テオ」は神、「ブロマ」は食べ物。
「私たちの祖先が、カカオを神聖な生命の源として敬っていた歴史が、この名に刻まれているように感じます」
世界に広まる過程で、カカオに砂糖やミルク、バターが加わり、お菓子としてのチョコレートへと進化を遂げた。しかし、早川さんが『NOÉ NO OMISE』を通じて本当に届けたいのは、歴史の奥底に眠る、カカオ本来に宿るピュアで豊かなエネルギーそのものなのだ。
知れば知るほどその奥深さに惹かれ、私が目指したいのは『カカオ本来の効用を最大限に活かしたチョコレート』という考えに辿り着きました」(早川さん)「カカオはまさに『サプリメント』。その神秘的な力を余すところなく引き出したい」 早川さんのビーガンチョコレート作りは、カカオへの探究心を原動力にますます深化を遂げていく。
ベースとなるカカオバターを丁寧に溶かし、ホワイトチョコレートにはコク深いカシューナッツペーストを、ダークチョコレートには力強い香りのカカオパウダーを。口どけの命とも言える温度調整(テンパリング)に至るまで、機械は一切使わない。繊細な手仕事の一つひとつが、カカオに新たな命を吹き込んでいった。
「届けたいのはカカオ本来のエネルギー」。機械を使わず、繊細な手仕事のみでビーガンチョコレートが仕上げられていくこうして出来上がったビーガンチョコレートのベースに、オレンジやキーライムなどの自家製ドライフルーツの酸味、そして抹茶や酒粕、蕎麦の実といった自らのルーツを宿す日本古来の素材たちで「薫り、食感、ほのかな余韻」のアクセントを加える。
もう一つ、早川さんの独創性を感じさせるのが、日本ではあまり知られていない「ブルー・スピルリナ」の存在だ。5大栄養素の全てを網羅し、抗酸化作用にも優れている。この“神秘的な碧(あお)の輝き”をまとわせることで、従来のチョコの概念を超え、心身を慈しむ「至福の機能性スイーツ」へと昇華させている。
「最古の栄養源」とも称される神秘の藍藻・ブルー・スピルリナもまた、「パワーフードの王様」と称される。は早川さんのビーガンチョコレートの機能性を高めるピースの一つ早川さんが全体のバランスを構成する傍らで、ノエさんの小さな手が、四角いキャンバスの上に自由な発想で素材を散りばめていく。下描きや練習はないが、やわらかな躍動感が『NOÉ NO OMISE』のチョコレートの魅力でもある。
時間を惜しまず、一つ一つ丁寧に作る。自家製のドライフルーツや、ローズペタルが爽やかな香りと彩りをプラスする『NOÉ NO OMISE』は、様々なイベントへの出店を経て、着実に活動の場を広げていった。そして、プロジェクトを立ち上げてわずか数年。世界屈指のモダンラグジュアリーホテルと称される『マンダリン オリエンタル ニューヨーク』(Mandarin Oriental, New York)の客室を彩るアメニティに採用され、新たな一歩を踏み出した。
さらに昨年は、ブルックリンにある日本酒の酒蔵とのコラボによる『酒粕トリュフ』や、バーからのオーダーによる『ウイスキーボンボン』など、アルコールとのペアリングによる数々の新作を手がけ、ブランドの新境地を切り拓いた。
ブルックリンにある酒造メーカーからの依頼によって生まれた『酒粕トリュフ』と『ウイスキーボンボン』
N.Y.の街で開かれるポップアップで確実にブランドの知名度を高めた『NOÉ NO OMISE』「ウイスキー、ワインや日本酒とのマリアージュも楽しめる大人の味わい」と、早川さん自らが推すシグネチャーアイテムは、現在、全7フレーバー。
中でも、ブルー・スピルリナと食用金箔で鮮やかに彩られた一枚は、好奇心旺盛なニューヨーカーたちに人気が高い。鮮烈なヴィジュアルもさることながら、深いコク×優しい甘さ×カルダモンの清涼感という未体験のレイヤーが、食べた人を驚かせる。
鮮やかなブルースピルリナのパウダーを使用した「Dark Chocolate with Cardamom」。『NOÉ NO OMISE』の遊び心は、チョコレートという枠を超え、芸術(アート)の領域へ「次はどんな驚きを届けようか」
食べる人が、思わずクスッと笑ってしまうようなスイーツを目指して。母娘の満ち足りた時間から生まれた1枚は、温かな遊び心に満ちている。
<今すぐ食べたい!『NOÉ NO OMISE』BEST 4>
人気シリーズの「味わい・素材・栄養価」早川さんがチョコの魅力をナビゲート!
1.Dark Chocolate with Cardamon
ひと口目に広がるのは、カカオの深く穏やかなコク。その奥から、ショウガ科のスパイス・カルダモンの清涼感ある香りが立ち上がり、消化器系をやさしく温めるように、体の内側へと静かに広がっていきます。
ミネラルを含むピュアなメープルシロップの、やわらかく奥行きのある甘みが全体に溶け込み、後味は澄んだ余韻へ。甘さは控えめで、重さを感じさせません。
食前に気分を整えたいときにも、食後の余韻を楽しみたいときにも心地よく寄り添う、大人のための一枚です。チーズなどと合わせると、ワインのアペタイザーとしても楽しめます。
素材:カカオバター、カカオパウダー、メープルシロップ、カルダモン、塩。
仕上げに、食用金箔とブルー・スピルリナで華やかにデコレーション。
カルダモン:ショウガ科の植物で、血行を促進し、消化機能を高める働きがあるとされるスパイス。
ブルー・スピルリナ:池や湖などアルカリ性の水域に生息する藍藻の一種。ビタミン、ミネラル、鉄分、抗酸化物質を豊富に含み、消化の改善や代謝の促進に役立つといわれている。
ペアリング:コーヒー、紅茶、ワイン、ウイスキーなど
2.Dark Chocolate with Orange
フレッシュなオレンジの明るく軽やかな香りが立ち上がり、味わい全体に、すっきりとした軽やかさをもたらします。ミネラルを含むピュアなメープルシロップのやさしい甘みが、オレンジの酸味と自然に調和し、後味はすっきりと澄んだ印象に。ドライオレンジやストロベリー、キヌアパフの食感がアクセントとなり、ひと口ごとに表情の変化を楽しめます。気分をリフレッシュしたいときに心地よく寄り添う、大人のためのダークチョコレートです。
素材:カカオバター、カカオパウダー、メープルシロップ、オレンジエッセンス、塩、ドライオレンジ、ストロベリー、キヌアパフ。
オレンジ:気分を明るくし、肌にいきいきとした印象をもたらすといわれる柑橘。皮をむいた瞬間のような、甘く自然でフレッシュな香りが特徴で、リラックスや血行促進、炎症の軽減にも役立つとされています。
ペアリング:紅茶、コーヒー、赤ワイン、ビールなど
3.Matcha Cashew
なめらかなカカオバターの口どけとともに、焙煎したカシューナッツのやさしく香ばしいコクが広がります。抹茶のほろ苦さが味わいに奥行きを与え、自家製ラズベリージャムのキリッとした酸味がアクセントとして印象を残します。カカオバター、香ばしいカシューナッツバター、抹茶の苦味、ラズベリーの鮮やかな酸味が重なり合い、軽やかで奥行きのある余韻へとつながります。
ベースとなるカカオバターはカフェインを含まないため、刺激が少なく、心を穏やかに整えたい時間にも心地よく楽しめます。
素材:カカオバター、自家製ローストカシューバター、ラカント(羅漢果由来甘味料)抹茶パウダー、自家製ラズベリージャム、塩。
こだわり:カカオバターとカシューナッツバターのみをベースに、シンプルな素材構成で仕上げています。
ペアリング:コーヒー、紅茶、緑茶や抹茶、日本酒、ワインとも好相性です。
4.Dark Chocolate with Crunchy Roasted Buckwheat
ローストした蕎麦の実の芳ばしい香りが、カカオの深みのあるコクと重なり合い、ひと口ごとに心地よい余韻を残します。
噛むたびに広がるカリッとした食感がアクセントとなり、なめらかなダークチョコレートの口どけとのコントラストを楽しめます。
穏やかで落ち着いた甘みの中に、蕎麦ならではの素朴で奥行きのある風味が静かに広がる一枚です。
素材:カカオバター、カカオパウダー、メープルシロップ、蕎麦の実、塩。
蕎麦の実:日本でも親しまれてきた穀物。ローストすることで香ばしさが際立ち、ミネラルやポリフェノールを含むといわれています。
ペアリング:コーヒー、ほうじ茶、紅茶、日本酒、ウイスキー、赤ワインなど
第3章:ボーダレスな感性が共鳴する場所(NY)
作り手の「愛」が育む縁。一枚のチョコレートが描く「新しい循環の形」とは。
芳醇なアロマを放つ最高品質のエクアドル産カカオ豆、ピュアメープルシロップ、香ばしいナチュラルな甘みが凝縮されたナッツ類。
素材選びにおいて早川さんが何より大切にしてきたのは、品質はもとより「その素材の背景にある志」だ。
サステナブルなビジネスをしているエクアドルのカカオ豆農園主との出会い。友人の別荘に行った時に見つけたメープルファームとの縁。
広大な敷地の中に佇むメープルファーム早川さんの直感に触れる素材は、どれも作り手の「愛」に満ちたコミュニティから生まれたものばかりだ。
納得できる素材を吟味厳選するなかで、早川さんの活動はさらなる広がりを見せていった。
「2023年には、ネパールで女性支援を行う仲 琴舞貴(なか ことぶき)さんの『SANCHAI(サンチャイ)ピーナッツバター』を使ったボンボンを商品化しました。SANCHAIは、ヒマラヤ山脈の麓、コタン郡という場所で、現地の女性たちによって無農薬・無化学肥料により丁寧に手作りされています。小粒ながらも驚くほど濃厚なコクと甘みがあるのが特徴で、仲さんは、ネパールの女性たちによる、この素晴らしいピーナッツを世界に広めるためにブランドを立ち上げました」
ブルックリン・グリーンポイントにあるシボネ(Cibone)で行ったワークショップでは、「SANCHAI」の創設者・仲 琴舞貴さんが手がけるピーナッツバターを使用
楽しみながらチョコレートを作る参加者たち早川さんにとってビーガンチョコレートは、単なるお菓子ではなく、人々との出会いや挑戦を生み出す「ツール」のような存在。そして今、その情熱は「食べるカカオ」の枠を超え、「暮らしに寄り添うカカオ」という領域へと向かっている。
第4章:クリエイションの広がり
「食」から建築資材へ、カカオが紡ぐ未来予想図。
「カカオの可能性は、チョコレートだけに留まりません。豊かな日陰を作る植物としての役割はもちろん、これまで廃棄されていた殻が、インテリアの素材や、香り高いお茶、マグカップやタンブラーなどの素材としてアップサイクルされはじめているのです。カカオには、まだまだ無限の可能性とビジネスチャンスがあると実感しています」
お菓子作りの世界から、環境、建築、そして社会貢献へ。早川さんの探究心は、カカオという植物が持つ多面性をどこまでも掘り起こし、その先の「循環」を見据え、新たな付加価値を見出そうとしている。
早川さんとノエ(希慧)ちゃん。数々のポップアップ、ワークショップを母娘で行ってきた2026年、ニューヨークと日本。二拠点を軽やかに行き来しながら「健康と幸せのひとかけら」を届け続ける早川さん。そして、彼女が手渡してくれる宝石のような輝きを放つチョコレートを口にするたび、私たちはきっと思い出すだろう。
「想いを貫き続け、自分の“好き”を追求していけば、人生はいくらでも鮮やかに彩り直せる」ということを。
かつて、自分を表現者ではないと思い込んでいた1人の女性が、失敗や挫折を糧に、N.Y.という世界の中心で、力強くしなやかに生き抜く姿は「人生の可能性は、いつだって自分自身の心が決めるもの」と語っているように見えた。
そしてこの春、地元名古屋の『石けんとコーヒーとおやつのお店・yukurine(ゆくりね)』にて、『NOÉ NO OMISE』ブランドのビーガンチョコレートが期間限定で販売をスタートする。
昔ながらの「コールドプロセス製法」を用い、熱を加えず植物の生命力を引き出すyukurineの石けん作り。素材を慈しむ、互いの「手仕事」への信頼が育んだ待望の日本初上陸だ。新たな物語が、ここからまた動き出す。
「これからも二つの拠点で活動を続けます。私がニューヨークと日本で生きる理由が、まだこの先にあるはずだから」
そんな未来志向派の早川さんに、幸運の女神はきっと微笑んでくれるに違いない。
〜取材を終えて〜
ニューヨークの「イサム・ノグチ美術館」で開催されたワークショップで、石を模したチョコレートを前に「何これ?食べられるの?」と語り合い、愛おしそうに眺める人々の姿。「手に取った人が思わずクスクス(giggle)と笑ってくれるような、遊び心を届けたい」と早川さんは語った。
完璧な調和の中に潜む、小さないたずら心。その「giggleな美しさ」にふれるとき、「美味しい」という味覚の充足とともに、張り詰めた心の糸がふわりと緩んでいくのを感じる。せわしない日々を生きる私たちにとって、それはきっと、もっとも贅沢であり、もっとも純粋な栄養になってくれるだろう。
“giggle”な魔法の時間が、いつかあなたの日常にもふわりと届きますように。
【早川由希子×イラリ バレンタイン・ギフトがついに実現!!】
その丁寧なものづくりと美しい世界観に共鳴し、
バレンタインという特別なタイミングに合わせて、
イラリとのコラボレーションが実現しました。
ひとつは、
『NOÉ NO OMISE』のベスト4を小さなサイズで詰め込んだ【限定40個】
ビーガンチョコレート4種のギフトボックス¥5,500(税込)
もうひとつは、
『NOÉ NO OMISE』の定番チョコレート2枚と選べるワイン【限定20セット】
ビーガンチョコレート2種と選べるワインのギフトセット¥8,148(税込)〜

早川 由希子さん(YUKIKO HAYAKAWA)
プロフィール:
愛知県名古屋市出身。N.Y.移住後、インテリアコーディネーターとして活躍。その後、パンデミック下の再生の歩みから娘と『NOÉ NO OMISE』を始動。主な販売チャネルはウェブサイト、ポップアップストア、他業種とのコラボレーション。マンダリン・オリエンタル・ホテルでアメニティとして採用された実績もある。「ビーガン、グルテンフリー、精製糖不使用」といったコンセプトが健康志向の高いニューヨーカーに評価されている。今後、「どうせ食べるなら健康になろう」というギルトフリーな哲学のもと、名古屋の『石けんとコーヒーとおやつのお店・yukurine』にて『Noé No Omise』のビーガンチョコレートを販売予定。食への意識が高い日本市場に手応えを感じている。
『NOÉ NO OMISE』
HP:https://noenoomise.com
インスタグラム:@noe_no_omise
『yukurine』
インスタグラム:@yukurine
取材・文
山田 ふみ
