Vol. 7 欲しいのはサビないからだ

2024年11月7日

だいぶ涼しくなって本格的に秋です。暑さから解放されて気持ちと食欲に余裕が戻ってきました。もっとからだの内側をクレンズしてみようとか、薬膳を取り入れてみようとか、 おいしいだけじゃなく薬効だったり栄養素についての課題が浮き彫りになりやすい時。あれも食べたいこれも食べに行きたいというリストアップとは全く別の思考回路で、からだにいい事を仕掛けたくなるのが11月。

そんな私の脳内回路から、今月は「活性酸素」について。

活性酸素って気になるワードですが、一体何なのでしょう。言葉通り捉えると、呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部が通常よりも活性化された状態になること。適量であれば免疫機能に欠かせない役割を果たしますが、増え過ぎると免疫力の低下、老化、からだにサビつきをもたらし健康⻑寿を阻害するもの。身近なことで言えば、食べすぎとか、 寝不足とか、日焼けとか、さまざまな要因からからだはサビつく=細胞の酸化はおこると言われています。

からだをサビさせないためには色のついた果物や野菜を摂るのが有効で、栄養素だとカロ テノイドと呼ばれる天然色素が有効です。トマトやにんじんはその代表選手で β カロテンも多く含み、この β カロテンは免疫力の向上やアンチエイジング効果も期待されています。 他、β カロテンの含有量が多い野菜には、パセリ、モロヘイヤ、にんじん、バジル、ほうれん草、ブロッコリー、トマトなどがあります。これだけの野菜を一度に摂取するならスープかポタージュが正解で、からだのサビつき防止にも有効な豆乳の野菜たっぷりスープを今月は紹介いたします。私の場合、秋の到来はこの温かい豆乳のスープとともにやって来ます。味噌が入るので、和でも洋でもない絶妙なバランスに仕上がります。だからご飯にもパンにも合ってくるという具合。スープですから食べればからだもほどよく温まるので、冷えを薄ら感じる11月の初めにピッタリ。食べてスッキリ、豆乳の柔らかさと野菜感いっぱいなスープをどうぞ。

使用する野菜は冷凍野菜を使用することも。割り切って使えば必要な分だけ調理できるということ以外に水溶性のビタミンの損失を最小限に抑えることにも繋がります。1杯で満足度の高いスープに、もう1品足すならタンパク質。夜ならボリューミーにチキンのグリルか肉厚の白身魚のソテー、朝なら卵料理一択です。

 

【豆乳のスープ】
3人分

パプリカ(赤/⻩) 各1/2個
にんじん 1/2本
ほうれん草 適宜
ブロッコリー 1/2株
玉ねぎ 1/2玉
大根 3〜4cm
じゃが芋 中1個
ミニトマト 5個

菜種油 少々
味噌 大さじ3
粗挽き黒胡椒 少々
豆乳 1カップ (200ml)
水 2.5カップ (500ml)

① 野菜類は適度に同じ大きさになるようダイスカット(角切り)にする
② 鍋に油を敷き、ミニトマト以外の野菜を中火で2、3分炒める
③ 水を入れ、野菜に火が通るまで10分ほど加熱する
④ 極弱火にして味噌、豆乳、ミニトマト、胡椒を入れ仕上げる

 

たねいちとも子さん(TOMOKO TANEICHI)

料理研究家/ごはんブロガー
/ブランディング・ディレクター

プロフィール:
健康的で肩ひじ張らない料理の提案、よりよく健やかに⽣きるためのライフスタイルを体現。⾷品メーカーや化粧品会社との商品開発、⾷と美容の企画をプロデュース。 コミュニティの場として料理教室を設け16年続けている。20代は公益財団法⼈に⼊社し芸術⽂化の助成に係る。その中で健康こそ財産だと確信して30代は美容と健康の道へ。⼥性誌を中⼼とした美容業界での活動とケータリングやレシピの提案など⾷まわりの活動をスタート。2015年には料理法や⾷の⽂献を深めるため⼥⼦栄養⼤学に⼊学、2017年卒業。2016年にリトリートオイル「BUDDHI」のコスメティック・ディレクターに就任。コスメをはじめ美容と食のディレクターとして活動している。