Vol. 6 秋、はじまりの JUST GOHAN で健康美
本格的な秋の始まりは、柔らかいとか、優しさとか、そんな感覚を大切にしたい時期。
それはごはんにも言えることで、⻑らく続いた暑さに遂に終止符を打つかのように、トロミ や優しい食材で心身ともに労わりたい時であると言えます。
からだも肌も、浴び続けた紫外線や冷房疲れが残る危機的な状況で、現状復帰と回復に余念はないものの、実は1年の中で最も自分と健康とごはんを底上げできる時期というのが今、9月の終わりから10月だと感じています。
物理的に気温が目に見えて下がるので、気持ち的にも落ち着きをとり戻せて、毎日なにを食べるべきか具体的に思い付くというのと、何と言っても食材たちが旬を迎えて味も香りも頂点、豊かな秋がやってきます。
栄養学的に言えば、夏季に体内から失われ続けたミネラルの補給、まだ先だとは言え空気の乾燥に備えて、肌細胞の生成を促しお肌の弾力と末梢血流を維持するエラスチンや、ハリと潤いを保つためにもコラーゲンを美味しく取り入れていきたいというのが本音です。そんなことも頭のどこかにあってか、図らずもこの時期多用したいのが「鶏手羽のお酢煮」です。
鶏肉の中でも抜群のコラーゲン含有部である手羽先。ちょっとお醤油で漬けてそのまま焼くも美味しいのですが、お酢とお酒たっぷりで煮て加熱することで、ジューシーな柔らかさをしっかり引き出したいというのが狙い。これだけ簡単な調理で驚くほど変貌を遂げる他にないほどの仕上がりなので、この時期は思わずリピートして作っています。
肝心のペアリングですが、ビールとの相性は言うまでもなく、ワインならば白でも赤でも。赤ワインはその熟成やタンニン、複雑さが煮込み料理やローストとも合うのではと感じています。深まりゆく秋に合わせて気温が落ちれば赤、まだまだ暑い夕方にはスッキリと白、こんな感じで選んでいます。
手羽先のお酢煮
酢 70ml
醤油 50ml
酒 50ml
きび糖 大さじ2
手羽先 6~8個
⻘梗菜 1束
1. 鍋に全ての調味料と手羽先を入れ、蓋をして勢いよく10 分加熱。
※火力は調味料は吹かないように気をつけて、鍋内の圧が上がったら少し火力を下げる。
2. 時々、手羽先を返して、火力を落として8分。
最後2分ぐらいの時点で⻘梗菜も鍋に入れ蒸す。
たねいちとも子さん(TOMOKO TANEICHI)
料理研究家/ごはんブロガー
/ブランディング・ディレクター
プロフィール:
健康的で肩ひじ張らない料理の提案、よりよく健やかに⽣きるためのライフスタイルを体現。⾷品メーカーや化粧品会社との商品開発、⾷と美容の企画をプロデュース。 コミュニティの場として料理教室を設け16年続けている。20代は公益財団法⼈に⼊社し芸術⽂化の助成に係る。その中で健康こそ財産だと確信して30代は美容と健康の道へ。⼥性誌を中⼼とした美容業界での活動とケータリングやレシピの提案など⾷まわりの活動をスタート。2015年には料理法や⾷の⽂献を深めるため⼥⼦栄養⼤学に⼊学、2017年卒業。2016年にリトリートオイル「BUDDHI」のコスメティック・ディレクターに就任。コスメをはじめ美容と食のディレクターとして活動している。