INTRODUCTION

星に夢中になり始めたのは14歳のころ、当時(1980年)手描きで作成したホロスコープを眺めては、惑星が示す意味と同時代の出来事との共時性にワクワクしていたのを覚えています。
そのときの天体配置で特に印象的だったのは土星と木星が共に乙女座から天秤座に移動して約600年ぶりに風のエレメントに集っていたこと。
いまでは多くの人が耳にする「風の時代」へのストロークを感じながら未来の私らしい在り方を模索していました。
そこから半世紀近い月日を経た現在、新しい時代の到来は外からもたらされる以上に、個々の内なる気づきと豊かな繋がりから拡がっていくのだと実感しています。
この連載では、惑星たちが奏でる二十四節気ごとの天体配置から、より魅力的で私らしい暮らしを楽しむための星々の語らいをお伝えしていきます。

雨水・魚座の季節
19 February 2026

2026年2月18日

雨水。雪は雨へと変わり、
草花の根も息を吹き返していく頃。
冬の輪郭はやわらぎ、
言葉になる前の情感が
ふと浮かび上がる季節です。


魚座にイングレスした太陽は、
身近な人との何気ない語らいのなかに、
重要な気づきの種をそっと忍ばせています。

ICと呼ばれる黄道と子午線の交点に集う
月・水星・金星・ドラゴンヘッドは、
同じく魚座の領域から、
「世の中に語りかける以前の私の基盤」
私が在ること、私で居ることの根っこに
立ち返ることを提案しているようです。

⚫︎ 遺伝子検査やお墓参りなど、祖先に想いを馳せる
⚫︎ 原風景に触れ、幼い頃の記憶を辿ってみる
⚫︎ 言葉になる前の感覚や感性を、丁寧に味わう

ポイントは、無理な言語化や整理ではなく、
SNS映えする自己編集でもなく、
感じたままを、そのまま受け取ること。

まもなく巡行する8ハウス蟹座の木星も、
過去から蓄積してきた想いを静かに昇華させ、
より自由な私らしさへの新たな起点を
整えてくれそうです。

2026年を象徴する重要な天体配置、
牡羊座0度に集う土星と海王星、
そして水瓶座の冥王星とのセクスタイルも
本格的に動き始めています。

まだ形にならない真新しいポテンシャルに対して、
言葉の意味や定義そのものを解体し、再構築していくような
未来志向の発想が付与されていく流れです。

⚫︎ すぐに断定しない柔軟さ
⚫︎ 安易に言葉にしない誠実さ

前例のない本質的な変化のなかで、
しなやかな感性が静かに重要度を増していきます。

水瓶座の火星と牡羊座キロンのセクスタイルも印象的です。
自身であるための姿勢そのものに立ち返ること。
本来の活力を取り戻すプロセスに、
確かな熱量が加わっていきます。

星々は「まだ急がなくていい」と語っているようです。
水面下で、言葉と感情と記憶の配線が
静かに組み替えられていく。

無理にまとめなくていい。
まだ名前をつけなくていい。

ただ、よく感じ、よく聴いて、
新しい言葉や形の誕生を待つ。

その姿勢そのものが、
次の季節への橋になっています。


魚座の季節に浮上しやすいのは、
過去に整理しきれなかった感覚です。

幼少期から、いつの間にか身につけてしまった
理由のはっきりしない罪悪感。
誰かと比べることで生まれた劣等感。

それらは個人の問題であると同時に、
時代や家系や地域性が無言のうちに手渡してきた
感情の癖でもあります。

頑張りすぎないと居場所が得られない感覚。
役に立たなければ価値がないように感じてしまう心。
うまく説明できない自分を、どこかで恥じてしまう癖。

魚座の季節は、それらを直ちに正そうとはしません。
ただ、静かな問いを差し出します。

⚫︎ それは、あなたの責任だったのだろうか
⚫︎ いまも抱え続ける必要があるのだろうか

答えを急がなくていい。
理解できなくてもいい。

問いかけそのものが、
固まっていた心を少しずつ緩めていきます。

力を抜いても大丈夫だと身体が思い出すこと。
魚座の時間は、その回復を静かに後押しします。

星々は、いま、
大きな時代の変化を示しています。

価値観が塗り替えられ、
スピードや効率だけでは測れないものが、
失われかけていた光を再び帯びはじめています。

大切なのは、何者かになろうとすることより、
自分という存在を丁寧に感じ直すこと。

派手な選択ではなく、
日々の暮らしのなかで、
何を大切にするかを静かに選び直すこと。

自分の感受性を、
この時代に差し出されている一つのギフトとして、
乱暴に使わず、すり減らさず、
余白をもって抱えていくこと。

雨水・魚座の季節。
それは前に進むために、
いったん立ち止まり、
自分の根に水を与える時間。

星々の語らいは、
そんな静かな整えのなかで、
新しい旅の準備を始めています。


イズモアリタ(MASAFUMI ARITA)

星の神話とタロットの図象
/伝承叡智の研究
テキスタイル&グラフィック
/デザイナー

プロフィール:
星とタロットの図案家として 未発掘の心象シンボルと無意識の同時代カルチャーをスケッチしている。2004年より世田谷ものづくり学校にアトリエを構え、コンバースシューズやヤコブセンのチェアをはじめ、BEAMS、IDEE、CIBONE、サザビー、ほぼ日、JTB、伊勢丹BPQC、高島屋、等で様々なプロダクトを発表してきた。近年は、独自の縄文&出雲的な感性と星々との呼応から制作活動を展開。古代の伝承から同時代のものまで古今東西の文化に詳しく、ゼロ歳からのワークショップ、美術大学で造型指導も行っている。

イズモアリタ instagram
@izumoarita

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